若い人たちの生きづらさも含めて、もしかしたら、ベーシックインカムが解決の糸口になるのかもしれないと、木村衣月子とたびたび話していた。少し前に、木村が参加したベーシックインカムの会合で古久保さくらさん(大阪 市立大学)、堅田香緒里さん(埼玉県立大学)、白崎朝子さんのお話がとてもよかった、ということを聞いたので図書館に行き検索した。書籍はあったが、出雲市中央図書館にはなかったので、予約した。男女共同参画センターのスタッフにそのことを話したら関心がある、とのことだったので、図書を購入してもらえたら連絡しようと思っていたが、購入ではなく、岡山の図書館からの相互貸借とのこと 、ちょっと残念。
「ベーシックインカムとジェンダー〜生きづらさからの解放に向けて〜」(現代書館)は、男女共同参画が遅れている出雲市の図書館にこそ、購入してもらいたい書籍だ。
この本には、すべての個人にその生活に必要な所得を無条件で保障するベーシックインカムが女性の生き方にどう関わってくるのか、さまざまな立場の女性からの意見も盛り込まれており、もし、ベーシックインカムが取り入れられたら、どうなるのか考えさせられた。
最初にベーシックインカムが取り入れられたらどのようなことがおこるのか、まとめてある。
1.ベーシックインカムは、女の経済的自立を促す。
2.ベーシックインカムは、社会関係内における女の声(voice)と権力ないし交渉力の増大に貢献する。
3.ベーシックインカムは、いわゆる「貧困と失業の罠」を軽減する。
4.ベーシックインカムは、福祉国家を「脱官僚化」する。
5.ベーシックインカムは、家事やケア労働を社会的価値のある貢献として(再)評価する。
この本の最初にまとめられているベーシックインカムは、アンペイドワークを担ってきた女性を一人の人間として認める役割もするが、一方では、お金を出しているのだから家で家事労働をせよ、というメッセージになりはしないかと心配する意見も出されている。
ただ、こうした家庭内労働はただでするもの、となっている現状に比べればずっと良くなると思える。
いずれにせよ、問題が起きるたびにつぎはぎに制度を作ってきたが、つぎはぎはつぎはぎでほころびだらけで、制度のはざまでつらい思いをする人々を救えていない。また、制度を利用できても申請時にあれこれ聞かれることの苦痛を乗り越えなければならなかったりする。この本で紹介されているシングルマザーに対するひどい言葉の数々が、福祉事務所や役所の担当者の言葉であることに驚く。先進国では母子家庭の貧困が際立つ日本。こうした実態がさらに加速をかけていたのかと改めて実感する。
こうなってくると、最後にはベーシックインカムしか、解決の方法はないのでは、とさえ思えてくる。
貧困の実態がどういうものかさえ知らないか、それから程遠い人々が作る貧困政策では、いつまでたっても堂々めぐりどころか、すでに事態はひっ迫しているというかずっと放りっぱなしであったことを痛感した。
白崎朝子さんは、推進派の議論に対して、その多くに母子家庭や被虐待児の存在に目を向けられていないことに怒りを感じる、と書いておられる。これらがまぎれもなく政治的に作られたものであることを認識すべきだとの意見に私も同感だ。
ひとりひとりに基本所得を保障するベーシックインカムで、自律した個人としてどう生きるのかなど改めて考え直さなければ、生活保護などにたかる貧困ビジネスと同様の巧妙な罠にはまってしまうことになる。
実現までには、丁寧な議論が必要だと思った。
男女共同参画の取り組みが各地でされているはずなのに、DVや貧困は、解決できないまま、新たな問題が生まれつつある時に、雨宮処凛さんの「生きさせろ!女性・若者の貧困を考える」の講演会は、現状を考えるきっかけになるいい試みだと思った。
雨宮さんは、2006年ごろからはじまったプレカリアートの問題からお話を始められた。新自由主義の下、若者や女性の貧困が個人の責任ではないところで進んでいる。雨宮さん自身もいじめから不登校になり、リストカットや、非正規雇用など、生き辛さを抱えていたこと、弟も正規雇用だったのに
17時間労働で残業代もなく休憩もわずか30分、という環境の中で働いていた。
生産性が高くてより多い報酬をもらうことが評価される、という暴力的な価値観の中で普通に働いて生きることがむずかしくなったことなどを北海道で起こった姉妹餓死事件など具体的な事例も交えて話された。
ともすれば、これまでの価値観に流されがちになってしまうが、現状を伝えてくれるほうに耳を傾けることを続けたいと思った。
これは、国会(1院)にどれだけ女性が占めているかを調べた最新ランキングだ。
いかに、日本で女性の地位が低いか、あらわす指標ともいえる。
昨年12月に衆議院選挙が行われた結果、480議席のうち女性は38議席しか占めることができなかった。割合にして7.9%だ。
日本の7.9%は、アフリカのボツワナ共和国と同じだ。7%台には、やはりアフリカのガンビア、コンゴが並ぶ。
世界平均は20.8%、5人に1人は女性議員となった。北欧諸国の平均は42%。アジア諸国平均は18.4%。
この春は、市議選もある。出雲市は、いまのところ、女性市議はひとり(38人中)。
比率は3%弱なので、アフリカのガンビアやコンゴより下、ということになる。
大切なことを話し合う場所に女性が参加できないのはなぜだろう。
女性に能力がないのではない、ということは、有能な女性を多く知っている私にはよくわかる。
この事態は、本当に恥ずかしい状態だと言うことを、まず、議員の皆さんに感じていただきたいと思う。
■IPU 2012年12月31日付の最新調査結果。
http://www.ipu.org/wmn-e/classif.htm
「ええ?」と「やはり」と両方の気持ちがわきおこった。
しかし、番組は、ひとりの女性のコメンテーターが、コメントを述べてすぐに終わった。
三井マリコさんのブログによると、日本は2011年98位、2010年91位で年々順位を下げているようだ。
以下は、三井さんのブログから1部、転載させていただく(緑の文字)
世界で第1位はアイスランド、2位フィンランド、3位ノルウェー、4位スウェーデン、5位アイルランド。あいかわらず5カ国中4カ国が北欧諸国が占めた。
「世界ジェンダー・ギャップ指数」とは、経済分野、教育分野、政治分野、保健分野の4つの分野のデータから男女格差を測定。上位ほど男女格差が小さく、男女平等が進んでいるといえる。「世界経済フォーラム」が、2006年から毎年、調査・発表している。
1.Economic Participation and Opportunity(経済活動の参加と機会)
給与、経済参加レベル、および専門職への雇用
2.Educational Attainment(教育)
初等教育や高等・専門教育への就学
3.Health and Survival(健康と生存)
健康と寿命
4.Political Empowerment(政治への参画)
政策決定機関への参画
日時 1月23日(月) 13時半〜15時半
場所 ホテル宍道湖 高砂1
内容 1.第2次島根県男女共同参画計画の策定と取組状況について
2.平成22年度男女共同参画年次報告について
公開の方法
1.公開
2.傍聴定員 4人
3.傍聴手続き
問い合わせ先
島根県環境生活部 環境生活総務課 男女共同参画室
TEL(0852)22−5243
サイトは こちらから
「みんなで守る命と暮らし〜男女が共に考える防災・減災・復興〜」
呼びかけ文
いつ、なんどき、どこで起こるかもしれない自然災害。
いざ!という時のために、自分ができること、みんなで力を合わせてできることを今一度考え、
防災・減災へとつなげていきましょう。
日時 2012年2月4日(土)13:30〜17:00
会場 出雲科学館 サイエンスホール・多目的室
内容 第1部 講演会 13:35〜14:45
講師 相川康子さん
(元神戸新聞社論説委員、NPO政策研究所専務理事)
弟2部 避難所運営模擬体験 14:55〜17:00
※講演会のみ参加は可能ですが、第2部からの参加はできません。
※ ちらしはこちらから
主催 出雲市 共催 出雲市男女共同参画まちづくりネットワーク会議
申込 くすのきプラーザ(出雲市男女共同参画センター)
0853-22-2055 fax 0853-22-2157
「10.16変えよう!日本と世界」と付けられた集会が「反戦・反貧困・反差別共同行動 in 京都実行委員会」の主催で行われたことが、JanJanBlogというブログで紹介されていた。こちらから
ルポライターの鎌田 慧さんが「脱原発-どんな社会をめざすのか」の演題で講演し、ドイツ「緑の党」副代表のベーベル・ヘーンさんと瀬戸内寂聴さんが特別に挨拶に立った。また、差別や教育、被曝労働の現場や福島の原発事故避難者と福井の原発立地自治体住民などからの訴えがあった。
ドイツ緑の党副代表のベーベル・ヘーンさんは幼児の健康を心配する普通の主婦としてデモに参加したのがきっかけとなって連邦議会議員になった人で「緑の党は福島の事故でなすべきことがはっきりした。原発は廃止していくことで原子力の時代を完全に終わらせる。経済的な方向を再生可能エネルギーの供給をふやすことで見つけ出す。このことで雇用も生み出せるといえる。安全な社会を作りだすには転換が必要なので堅い決意のもとで行動する。」などと話した。緑の党は脱原子力発電への行程表をすでに作成している。ただちに原発施設運用期間延長の廃止への法的立場を復元するとした第一の約束から6カ条の工程を示した。いずれも「ただちに」や「2011年中の実施」を謳った。登壇した参加者によると「極めて優しい方」と話し、この後のデモには横断幕を持ちながら先頭を歩いた。
YCスタジオ連続学習会 NO2
「生きていることは労働だー若者の貧困とベーシックインカム(無条件給付の基本所得)を考える」
呼びかけ文
YCスタジオでは、生きづらさを抱える若者たちのありのままを肯定し、共に、もうひとつの生き方を模索しています。
生きてるだけでOK、ベーシックインカム=「すべての人が生活に必要な所得を無条件で得る権利」のある社会が実現すれば、ひきこもりや不登校、ニートの若者たちも、負い目と不安から解放されて、多様な生き方が可能になるのでは。
今回は、経済学の研究者である同志社大学の山森亮さんをお招きして、ベーシックインカムについての学習会を開きます。 若者の問題に限らず、貧困問題や社会保障などに関心のある方も、どうぞお気軽にご参加くだい。
講師 山森 亮さん
日時 10月16日(日)13時30分から16時30分 (開場 13時)
場所 松江テルサ4F 中会議室 JR松江駅前 (Tel) 0852-31-5550
参加費 500円
師プロフィール
山森 亮(やまもりとおる)
1970年神奈川県生まれ。同志社大学経済学部教員。専攻は社会政策。著書に『ベーシック・インカム入門:無条件の基本所得を考える』(光文社新書)、『貧困を救うのは、社会保障改革か、ベーシック・インカムか』(人文書院、橘木俊詔との共著)などがある。
主催:NPO法人YCスタジオ(Youth Culture Studio)
後援:島根県、島根県教育委員会、松江市教育委員会、NHK松江放送局、山陰中央テレビ、BSS山陰放送、山陰中央新報社、朝日新聞松江総局、読売新聞松江支局、毎日新聞松江支局、中国新聞社
問い合わせ先:0852-25-9592(YCスタジオ 平日AM11時からPM6時まで) 090-3639-1862(木村)
デンマークは、ほぼ10年間、保守陣営に支配されていたが、このほど、政権交代を果たし、女性の首相が誕生した。
女性首相誕生のニュースはこちらから
出席者は、7人。新年度の登録部員は、16名となっている。
部長からのあいさつの後、23年度の事業計画について話し合った。
前年度、地域部会では、原点に帰る、をテーマに研修を行った。これを踏まえてさらに研修を重ねるか、それ以外のことにするかの話し合いになった。市長の考えを知りたいので懇談をしてはどうか?若い世代の家庭では、男女共同参画が進んでいて世代間格差があるのでことさら男女共同参画を言わなくてもいいのでは?、音楽を聴くような催しをしたい、などさまざまな意見が出た。
私は、「原発事故で福島では、20ミリシーベルト/yのところで子どもたちが生活をしなければならないことが起き、昨日も福島の保護者は国会でこの基準を見直し、子どもが安心してすごせるようにしてほしい、と訴えている。私自身、こうしたことに無関心でいれず、いても立ってもってもいれない気持ちだ。災害地では、女性や子どもはさらに辛い思いをしなければならない現実があるのに防災会議にはほとんど女性がいない。男女共同参画は、こうした大切なことを男女がともに考え決める、ことが基本だと思う、出雲市でもやっと原子力防災の検討が始まろうとしている、会議に参加できないのなら、せめて市の危機管理監に話を聞く会を設けてはどうか、」と提案した。
これについては、少し年配の部員(女性と男性)のおふたりから、「こうした会で行政に口出しをするのは、いけない」「防災の話を聞くことと男女共同参画がどう関係があるのか」
と聞かれて、答えに困ってしまった。
私のほうからは、男女共同参画センター長から「防災会議に女性がいなくて問題だと思っている」というお話を1年以上前に聞いていたので、それ以来、気にしていた、と説明した。
その後も、いろいろ意見が出たが、きょうのところは、まとまらなかった。